JKA補助事業(複数年2023~2024年度)が完了しました

2023年~2024年年度の2年間、JKA補助事業として表面プラズモン共鳴小型半導体化学量センサの実用検証を実施いたしました。本事業では、半導体加工技術を用いて構成される、表面プラズモン共鳴小型半導体化学量センサの実用検証について取り組みました。表面プラズモン共鳴センサはタンパク質などを高感度に検出する化学量センサとして広く利用されている方法ですが、一般的には 反射光計測型SPRセンサと呼ばれる、大型の光学プリズム上に薄い金膜を形成し、その上にある試料の誘電率を光学的に測定する方法が採られています。表面プラズモン共鳴は金属膜への光照射のみで簡易的に測定可能であり、フィールドなどへの展開が期待される計測方法ですが、こうした大型の光学系が必要なことから小型化がスムーズには進んでいませんでした。これに対し、本補助事業では、研究室独自の半導体と融合しSPRセンサを作ることにより、光学プリズムや受光部などの大型の光学要素を不要として、半導体チップ上でSPRの信号読み取りができるようになるので、装置の大幅な小型化が可能となります。補助事業期間中に、独自の半導体SPRセンサを、実際の測定対象となる溶液中での測定機能を検証し、タンパク質などが測定可能であることを確認しました。今後は、補助事業中に確認した技術の成熟度を高め、実用化に向けてさらに研究を進めていく予定です。

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