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菅研が目指すこと:ロボット・IoTのための新たなデバイスを作ります

菅研究室は、電気通信大学II類P5(先端ロボティクスプログラム)、電気通信大学大学院情報理工学研究科機械知能システム学専攻に所属しています。II類P4、P5に所属する人の方であれば、卒業研究先として志望することができます。

菅研究室は、ロボットやIoTネットワークの役に立つ新規なセンサやデバイスを、ゼロから実際に自分達の手で作っていく、モノづくりを中心とした実験系のラボです。AIなど情報技術の進歩はすさまじいですが、外界の物理量を高クオリティで取得でき、かつ環境中に偏在できる小型のセンサがなければ、そもそも計算の俎上に上る良質なデータを得られません。そこで、本研究室では、知能機械に搭載可能な小型高性能なセンサ・デバイスを研究開発し、機械の一層のスマート化を推進しています。

菅研の得意なこと:MEMS(メムス)が私たちの武器です

センサ・デバイスを構築する私たちの武器は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems:メムス)と呼ばれる、微小機械システムの技術です。MEMSは半導体加工技術を利用して、シリコンなどの材料に微細な構造やシステムを作り込むことができるという特徴を持っています。切削やレーザ加工などとは違った、フォトリソグラフィに立脚した微細加工を行うことができます。この技術を使うと、目視では弁別できないサイズの中に、溝や梁、トラス構造などの機械構造を作り込むことができます。さらに、センシング部位を任意の位置に作ることができます。モノづくり技術単体として魅力的な技術です。こうした構造を、私たちは実際に大学の研究環境を利用して自らの手で作っています。MEMSは、スマートフォンや自動車に搭載される、加速度センサやジャイロ、マイクロフォン、周波数フィルタを作る方法として産業的に市場を確立している定評ある技術であり、応用性も豊かです。

菅研が特に力を入れていること:メタマテリアルとプラズモニクスという軸

菅研究室では、定評あるMEMS技術に加えて、メタマテリアルとプラズモニクスという、新しい光技術を取り入れて、光をセンシングする、新しいデバイスの方法論を開拓しています。メタマテリアルとは、光の波長程度の共鳴構造をアレイ化することで、既存材料では実現できない光物性を実現する技術のことです。プラズモニクスとは、金属構造が示す、光との強い共鳴現象で、利用することで魅力的なセンサが実現できます。

菅研が世の中に影響を与えたいこと:光センサ・デバイスの地平を開拓します

菅研究室ではこうした技術を用いて、光と光の波長と同程度の微細な構造との相互作用を利用して、赤外~テラヘルツの波長帯の電磁波に対するセンシング・操作技術の研究に取り組んでいます。具体的には、ロボットや自動車などの自律機械が外界を正確に把握できる赤外線の受光器や、光の情報を非常に小さいデバイスで知ることのできる分光器、私たちの健康状態を簡易に知ることのできる化学量センサ、光を操作するメタマテリアル、それを使った情報デバイス用反射防止膜などを研究しています。マイクロナノ構造で、新しいメカトロニクスのフィールドを切り開いていきます。